Age:16(1999-03) Birth:1982-04-08 Blood:A+ Height:179cm Weight:66kg [Voice:梅津秀行] |
傍観する異形 − 瀬戸口 隆之 |
世の全ての女性に夢を与えてまわると豪語する、極めて守備範囲の広い(笑)軟派な美形。速水を必要以上に構っては、壬生屋に敵視され、原の嫉妬には裸足で逃げ出す一見遊び人。しかしながらその正体は、先代シオネ・アラダである椿によって改心し、「祇園童子」と名付けられた、千年を生きる元「あしきゆめ(≒鬼)」で、今の身体は寄生した「生ける死体」。所謂精神寄生体とでも言うべき存在だが、爪や牙、髪程度は自在に伸ばせるらしい。千年前に喪った、先代シオネを想い続けており、そのクローン体であるののみに囚われ、それをセプテントリオンと芝村に利用されて戦い続ける『竜』候補の一人にして、絢爛舞踏でもあるもの。壬生屋が転生体と知らず、気になりながらも反発するという関係にある。ブータニアスとは共にシオネに仕えた旧知の間柄−これがグッチの現状のおよその処でしょうか。でも、ゲーム中で彼が語る言葉は、それほどに軟派でも軽めでもありません。もっと生真面目で深くて、自分で言うほどいい加減でもないんですよね。時の重みが言わせる、少し世間と遊離した、物哀しく優しい、遠く醒めた視点。それは多分彼が、ヒトほどに歪んでない所為かと。彼を見て居ると、幻獣共生派とは異なる意味で、幻獣側の方が自己意志に素直で正直なのではないかと思える時がありますし。そこは多分「聖銃」が「ヒトの心の暗黒」を反映して展開するのと無関係では無い気がしています。 先代シオネを殺す為にやってきて、シオネの慈母の様な優しさとその定めに涙して、「よきゆめ」になった鬼が彼の本体「祇園童子」ですが、どうもその登場時は、そんなに強い生き物でもなかった様に見受けられるので、これは「想いが彼を強くした」のでしょうか。或いはシオネが与えた力かも知れません。ただ、「ゆめ」達は思いこそが力の源の様なので、やはり童子自身の「想い」勝ちと思う方が順当そうです。そんな彼がシオネを失って絶望したのに、戦う事を止めて傍観者となり、ヒトと相対そうとしなかったのは、シオネが悲しむから、か、或いはいつかヒトとして転生して来るに違いないシオネを求めて、じっと待ち続ける事を選んだから、か。多分、細い望みを掛けた後者、だろうと思いますが、さて実際はどうなんでしょうか。ヒトに対して何も抱いては居ないだろう彼が、シオネという鎖を失って尚、それでも人の世に居続けるのは、あしきゆめで居るよりもましな何かがあったのかも知れません。シオネだけなら、失った瞬間に、失わせた者達を憎んだっておかしくないのですから。ヒトには絶望しているかも知れないけれど、人の世自体はキライじゃないのかも知れない。それとも、もっと単純な思考回路に彩られているのか。この辺りはもう少し検証してみたい処ではあります。 世間の腐女子さん達を喜ばした(笑)、時に異常な程の速水への拘りは、本人が絢爛舞踏へ向かうキャラに対して言う通りなんでしょうね。「孫子の行う事を眺める親の気分」ってやつ。おそらくその「嗅覚」は、そのモノがもつ匂いを敏感に嗅ぎ取っていて、それはかつて自らも通った道。絢爛舞踏で有る事は、決して彼にとっては幸せではなくて(「ののみを人質に沢山の犠牲者を経て同族殺しを行う」というのは決して幸せではないだろう)、ある種の諦念と共に、その同じ道を通ろうとするものに対して、それで良いのか?と、問いかける彼。ヒトが絢爛舞踏になっていく過程で、積み上げ、失っていく「贄(生命だけではなく感覚的に失われていくものも含む)」には耐え難い何かを感じているのかも知れません。 余談ですが、私は極個人的に、若宮と並んで彼を忠孝君と組ますのを、こっそり面白がっています。若宮が肯定方向にあるのに対し、瀬戸口は、その過去の経験から各種スタンスやベクトルが逆で、思想的対立構図を作り易いんですね。主張展開に迷った時に、双方共に私の言いたい事を語る、なんて事も出来てしまえるのがモノカキ的に便利というか。それでいて、片方が自由に思考できる処が、片方の囚われてる部分だったりしていて、会話を重ねる毎に互いにダメージを与え易いというのが面白い。親友になる事はおそらくないけど、かなり近い、真逆の処に立っている、という感じです。所謂ライバル的に置くのが最も面白いですかね。お陰で、最近少しグッチを書くのが面白いんですよ。シオネ絡みの妄想がうんとあったのですが、殆どCDでやられてがっくりきてまして。書き方の取っかかりを見いだした感があるので、近々何か起こしてみたいです。 カップリング的には…やっぱりののみなのかなあ。多分この二人は似たもの同士なんだろうな、と思うんですよ。特に心の有り様が。未央ちんよりもはるかにね。共に「シオネ=椿の子供」みたいなものだし、素直で純情で。物事の本質の一番近い処に存在する、心優しい生き物。組み合わせの見た目は犯罪者じみてても(笑)、魂の有り様は同じなんじゃないのかなと思っております。それに、過去だけで未央ちんに縛られるのは、何やら一寸グッチが可哀想で(笑)。とはいうものの、ののみに縛られるのも、過去から抜け出せてないと言う点で同じではあるんですよね。未央ちんとくっつく方が一寸だけ前向きなんですが…彼の苦労が目に見えて(笑) |