ゲームを始める前は、ずっと追い掛けていたし、プレイ開始もこれをこそ解くのを楽しみにしていた「世界の謎」ですが、ゲームを始めてからこっち、一番鬱陶しい枷であります。確かにゲームを繰り返す内に一部が見えてくるのですが、元々公開しようとして、種々の問題(それも主に物理的かつ現実的な問題)から、本来の設定を切り捨てたこのゲームのみで、用意された九千枚を解こうというのは、絶対的な無茶だと思うのは私だけではないと思うのですがね。まあ、誰もがそう思う様で、結局の処公式サイトの謎掲示板は大盛況という事態になり、それが「ＧＰＭ２３」と七千人委員会に繋がったと。絶対数的な問題はともかくとして、会社経営的には実に当たったって感じですよね。それがおそらく上手く「式神の城」に繋がっただろうし。勿論そんな商業原則に目くじら立てる気は毛頭ありません。こいつはビジネスですから。

　ただね。どうもこう、やり方が色々と気にくわない訳ですよ。客を振り回してるな、という印象もさる事ながら。そりゃあ設定世界では設定者こそが絶対者で、ついでに言えば版権者で権利者ですから、当然ながら他者はそれに従わざるを得ない。作品そのものは完結していても、世界観は完結していないから、提示できないものもある。そういうのは私も似非モノカキの端くれとして理解しております。ですが、どうにもその態度が引っかかるのです。確かに膨大な裏設定を訊く度毎に公開してくれる、というのは何処迄も設定者側の善意で有る事はわかりますが、何も「自分だけが知っている事・相手が判らない事に対する優越」といったスタイルで提示してくるのはどうかと思うのですが。たかがゲームの設定に、それほどの優越感を丸出しにするというのは如何なモノか。絶対的な自信のなせる技、と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、つきつめれば客も所詮そのレベルという事でしょうかね。創作野郎なら誰でも、おそらく根底では持っている「読者を操作する優越と快感」が、物凄く鼻につくのです。

　まあモノカキなんて、性格悪い奴程良い作品を作ったりしますから、そんなものなんでしょうけど、客相手のショーバイで、そんなタチの悪い優越をひけらかしてもな、などと思ったりするのは、私がそれと知りつつ操作され、簡単に振り回されてる自分が気に入らない所為なのでしょう。ま、エラソーな事を言ったって、所詮権利者は向こうなのだし、基本設定を借りるに過ぎない、二次創作の立場が弱いのが当然なのは、重々承知してます。私の友人なんざ、話を簡単に先読みしてたから、私が単に先を予測できない馬鹿なだけなのでしょうし。結局の処「ヒトに操られるのはイヤだ」ってだけなんでしょうね。やな餓鬼だな＞俺(笑)。つまりはそれほどに「原作準拠」のポリシーは私を縛っている訳です。だって、多分そこが、私のパロ書きとしての最後の良心だから(笑)。二次創作を書く以上、一次創作で作られた枠は最低限でも守らなければならない。逸脱には限界がある、と思ってる訳です。何故なら私というヒトは「原作準拠」とうたう一方で、逸脱度が激しい作品を作りがちなんだそうで(笑)。そも私は、辻褄を合わせる為にでっちあげようと思えば、幾らでも捏造出来るだけの妄想力を持っていると自負する人間ですから、不明点を整合させる事は簡単なのですね。何たって「原典にあたる面倒くささと縛りより、一から自分で作る方が楽」と言い放ってオリジナルに手を染めた人間ですから(笑)。そんな悍馬のガイキチ脳を制御する、最後の砦が「原作準拠」な訳です。ま、これには「原作を理解しきってるから、後は自由にやる」というふざけた自信もあるのですがね(笑)。そんな私にとって、これを根底から覆してくれてるのが、件の「世界の謎の提示」な訳です。設定自体には罪はないんですがね。後から後からしみ出るように出す位なら、一気に開示してくれた方がすっきりします。どうせ現在開発中の「ＧＰＭ２」なんて何時出るか判らないんだし、新しいモノに古い設定を何処迄使うのかって事を考えると、死蔵分が勿体ない気もするしね。

　そんな訳で、私としては、現在の処「知っている事は使うが、調べてない事・知らない事は黙殺して捏造する」というスタンスを取っています。当たり前の態度と括ってしまえばそれまでですが、此処迄情報量が多いと原典当たりも面倒なんですよね＜をい。それだから、後で事情を知っては七転八倒している訳で、労力を惜しむなと手前に言いたいのですが(笑)、ナローバンド故の哀しさで、追っかけるのも大変なのです。最近はデータをまとめたサイトなんぞも出現していて、良い時代になったなとは思うのですが、昔は大変でしたから。有象無象の過多引用にまみれた文を読む面倒くささはマジたまらんです。ですんで、捏造分は並行WhatIfとして笑い飛ばして頂ければ幸いかと。ええ多分、一番問題なのは並行WhatIfに出来ない自分自身。踊らされてるのが嫌だと言いつつ追い掛けずにはいられない、逸脱に無用のハートブレイクをする癖に面倒だと追い掛けない、そんな困った手前が一番駄目駄目(爆)