妬心幻想 あとがき 先ずはお読み頂き有り難うございます。初公開時からいきなり第二版と銘打った後書きがついてしまうのには些かの訳があります。実はこれ、アルファシステムサイトで現在公開中の「ガンパレードマーチ外伝」に対するリスペクトっつーかインスパイアみたいなものでして。この話がですね、どうも「式神の城」絡みで原作者を取られてしまった所為か、半年〜一年近く第二回からずっと先に進まなかったんですよ。この続きこそが知りたくて読みたくて堪らないのに、何時迄経っても進んでくれないので、つい、「この話とゲーム本編との間に何があったんだろう」なんて事をぐるぐる考えている内に、出来てしまったのが「妬心幻想」という話しだったりします。外伝と本編の間に、こんな話があったらいいなー、みたいな話ですね。思いついてしまったら吐き出さないとやってられない性で、第一稿を脱稿した迄は良かったのですが、推敲中に御本家が進んでしまいまして、それがまた、私が「妬心」で一番悩んで無理矢理でっちあげた部分を、あっさりとクリアする無理のない展開だったんですよ。ええもうダメージ大きくて、公開の有無を土壇場まで悩んだ揚句、とりあえず言い訳だけ打ち直したという訳です(爆) やはり、現在進行形には手を出すもんじゃないですね。向こうが知っててこちらの知らない事なんて山のようにありますから、知らない手札を出されたら一巻の終わりですし。私のパロ書きの原則は先ず「原作準拠」でして、余程の事がない限りは、設定枠からずれた話は書けないのですね。コメディやギャグならともかく、シリアスは100%インサイドになります。尤も、その上で「こうは書かれていない」行間に妄想を逞しゅうして、原作から百万光年は離れたインサイド((C)友人H)を書いたりするので、こんな金科玉条があるとは誰にも信じて貰えないんですけど(笑)。だから、今回の件は本当に私にとっては鉄槌に等しいです。時折こういうモノを全く黙殺できるパロ屋さんをお見かけするのですが、羨ましい限りです。私はホント駄目ですわ。例外が「俺の書いたモノの方が上」と明らかに図に乗れる時位なものですが、そんなの殆ど無いですから(爆)。今回は数多あるWhatIfの一つ、との割り切りが出来たから公開する踏ん切りが付いたのです。 状況による可能性の思考実験は楽しいから幾らでもやります。だから、「妬心」も一つの方向性でしかないんですよ。大体原作が進む前から「「妬心」ではこうしたけど、実際はどうなんだろう」というのはずっと考えてて、例えば「本当に素子さんと忠孝君はやってるのか?(笑)」に始まり、「素子さんは処女なのか」とか「忠孝君が童貞じゃない保証はないな」とか(笑)、それこそ「妬心」と全く反対の設定でもネタを考えたりはしてあるのですね。それに、大体被弾する度「いったいわねえ!でも、子供を産むほどではなくてよ!」と叫ぶ素子さんが、第六世代が生殖できない事を知っているのかどうか大いに怪しい処です。今回はとんでもない台詞を言ってくれちゃったので、知ってる事にしてしまいましたけど、知らない方でネタを考えても面白いし、この被弾台詞は色々面白い妄想を私に与えてくれるので、これはこれでまた何かにしようと思ってます(笑) まだあります。此処では色々でっちあげてこじつけたけど、士官学校出たての新米士官がいきなり少佐(上級万翼長)で師団長なんて絶対有り得ないってのもありますね。今回これを書くに辺り、かなり本格的に軍隊の有り様を調べ始めたのですが、いやもう大変。勿論こういうのは好きだから良いけれど、調べれば調べる程嘘まみれで辻褄合わすのが難しいんですよ。今回はある仮説(本編参照の事(笑))が閃いたので、こじつけてしまいましたけど、実際、一個師団一万人はあり得ても、通常師団長は最低でも少将以上だし、幹候抜けたら普通は先ず少尉任官。最低でも十年経験して初めて佐官クラスってのが普通の有り様なんですよね。いくら状況が特殊とは言え、無茶な設定です。でも忠孝君が大陸で一万人の兵士を失ってるのは公式設定なんですよね。してみると「常識的」に見て大隊長では一万は背負えないから、どうしても師団長にせざるを得ない訳です。少佐で大隊長はあり得るんですけどねえ。一個大隊が一万っていうのはアメリカクラスの人員が居る軍隊の規模ですから。日本のレベルじゃないです。例外は無い事も無いんですけど…ああ、やっぱなんて危険な設定なんだー!うだうだうだ。この辺原作はもっと簡単に「何かを知った事にされたらしい忠孝君は戦場に送られる事になった→「男」に「殺されない為に戦場に行って生き延びろ」と言われる」と、階級とか戦争に関する話をさらりとかわした流れになってるんですよね。ああもう、つくづく手前の視点の狭さが悔やまれます。 大体、実際時代考証し始めると色々あるんですよ。第五世界で「介入」があるから歴史が異なるのだ、と括ってしまえば楽なんですが、ヒトラーやローズベルトが存在すると言う事で、我々の世界と適度に同じ歴史だというのなら、幻獣侵攻時の日本はまだ大日本帝国なんです。何か余程の事がない限り、現在の日本と同じ国の形になるとは思えません。どうやったら名誉革命みたいな事が日本に起こり得るのか、教えて欲しいですよ。芝村の台頭で天皇が象徴になる様な何かがあったのでしょうか?誰かその辺に拘った人はいませんかね?ってゲームの時代考証する馬鹿なんて俺だけか(爆)。何故そういう事が気になりだしたか、というと、やはり軍隊構成を調べたのが大きいです。私が嘘歴史を捏造するのは、ちっとも難しい事じゃないんですが(むしろ得意とも言う(笑))、そこまで自分に楽な状況にはしたくないし、出来たら公式見解が欲しいのですね。誰かこの辺納得できる歴史の提示をお願いしたいです。でないと、台詞一つ、文化一つとっても、本当に今の日本人の「当然」が適用できるのかが判らないですから。「ラブホテル街」という言葉が使えなくて七転八倒したのは余談です(笑) 閑話休題。 今回は今迄使った事のないテクニックを2つ程試みています。言わば「喪失」の為の前哨戦というか、手慣らしみたいなもの。「喪失」が無ければこういう書き方をしてみようとは思わなかったので、「喪失」待ちの特異な方々には、些かの脱線をお許し頂けると有り難いです。 この話を最初に考えついたのは、外伝に出てくる依代の少女が萌なんじゃないかと思った時ですね。そこで「萌と遭遇する忠孝君を見た素子さんが、誤解して関係がこじれる」というのが当初のコンセプトでした。疑惑を抱きながら、それでもなけなしの誠意で否定しつつ逢った男から、いきなり別れを言い出されておかしくなる素子、というのがこの話の最終的なランディング先だったのです。私は今迄こういう「誤解」とか「齟齬」とかを「狙って使う」って事が出来なかったヒトなんで、今回初めて意図的に使ってみるってだけでわくわくしてて(笑)、「出来るかな、出来ないかな」とどきどきしてたんですわ。ところが蓋を開けたら、序盤から男の方の描写が突っ走ること突っ走ること(笑)、余りに忠孝君を描くのが楽しくてしょうがないんですよ。またもや冴えない士官絶好調(笑)。その内「自己欺瞞」というキーワードが出てきたと思ったら、突然とんでもない天啓がきたのですな。整合性や準竜師との絡みを色々と考えている内に、降ってきたのが「萌すらも『利用』した忠孝君の介添人戦略」。思いついた瞬間身震いしましたよ。だって、そうやって考えると、余りに整合性が良すぎるのね。符丁悉く合い過ぎ。こういう策の回し方も先ず今迄の作品でやった事がないだけに、腰抜けた。最後の手札をひっくり返す快感と、匙加減、という言葉の意味を初めて知りましたよ。そーなると元来こういう話を読んだり見たりが好きな私だから、妄想暴走が次第に凄い事になっていきました。今迄のその手の蓄積が、どんどん反映してくる。そんな訳で、単なる嫉妬の物語は、ささやかな謀略の物語に早変わりしてしまったのでした(爆)。尤も、延々と途中でエロ(此処では不完全公開(笑))を書いてしまった所為で、私の中では結果的にちゃんとタイトル通りになりましたけど。とはいえ、どれも本編で伝わっていなければ、それは私の技量不足って訳で、精進しなければなりません。是非とも感想を下さい。次への糧にしますんで。 さて、次ですが。外伝が進んでしまった所為で「大陸幻想」の立場が相当危ういモノになってきてます(笑)。書きたいシーンもあるし、「妬心」の整合性を問う為には書かないとまずいんですけどね。まあもし書くにしても、知識がまだまだ足りないんで、当分先になります。ショックは受けても幸い創作脳エンジンはまだぶん回ってるので、気を取り直して「日常(仮)」と「喪失」に意識を向ける事にします。これだったらゲーム内だから、影響ないし(爆)。相変わらず、心弱くてすみません。 なお、「All-Age_Ver.」でピンとくる通り、実は非公開テキスト版の「R18_Ver.」が別途存在します(笑)。「R18_Ver.」については、此方を御覧下さい。 ※併せてこちらもご覧下さい(笑)↓[言い訳の山の三日坊主(笑)1(3/1-4位は特に酷い)] [言い訳の山の三日坊主(笑)2(というか進捗?(笑))]
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