3.愛奴


 「じゃあ、貴女の舌で、先ずは私を楽しませて頂戴。上手に舐めるのよ?そうしたら、御褒美をあげる」

 素子はにっこり微笑むと、舞の髪を掴む様にして、自分の陰部に引き寄せた。
 「…っふ」
 舞の舌が食らいつく様に、素子のぱっくりと開いたそれを舐め始める。
 「あらあら、お預けが長くて物凄い鼻息ね。がっつくのははしたなくてよ?」
 「ふ…うぅ…あ」
 不器用ながら、それでも丹念に舌を使うのは、それなりに学んできているのかも知れなかった。
 「ん…んん…良い感じよ…そう…巧いわ…んふ…」
 素子は軽く喘ぎながら、再び足の指で舞の陰部を嬲り始めた。
 「んあ…ふ…う…」
 舞の喘ぎが少し、早くなる。
 「ほら、口がお留守になってるわよ!もっと気を入れて…そう、良いわよ」
 「…っふ…んん…んっ…っ…ん…ふ」
 「んぁ…は…そう…そうよ…良い子ね…そう…ん…ぁ…ああ…は…んん…」
 「っふ…?」


 と、素子は舞の身体を自分から引き剥がした。


 そのまま、極上の笑みで舞に笑い掛ける。
 「フ…良い子ね。じゃあお待ちかねの御褒美をあげるわ」
 抱き上げる様にして、張型の反対側の上に、彼女を乗せる。
 「行くわよ。たっぷり味わいなさい」
 そのまま、上から強引に押し込んだ。
 「!」

 めり、とした押し開く感触があって、そのままぬるり、と沈み込む身体。


 「…っあ!」
 張型に、とろり、と血が流れる。
 「…っく…!」
 初めて舞の目に、涙が浮かんだ。
 「これ、指三本より太いから、処女には一寸痛いかもね…でも、もう、痛みも快感じゃない?」
 素子はゆったりと笑んだまま。
 血と一緒に、透明な粘性の液が、張型に添って、たらたらと流れ落ちてくる。
 「ぅあ…ああ…」
 「どう?指以外の感触も良いでしょう?」
 「あ…っ…あああっ…うあ」
 吐息には、苦しさよりも快感が濃い。
 舞を揺さぶる快感は、そのまま素子のそれにも反映されて、二人の身体は次第に激しく動き出す。
 「っふ…私も、そろそろね…でも…」



 ツー


 通信機が、鳴った。
 「…!」
 舞がハッとして、顔を上げる。
 「時間ね」
 素子は上気した顔のまま、通信機に手を伸ばした。
 「な…なにを…っ!」
 それには答えず、素子はスイッチを入れる。


 ヴ…ン


 深く沈んだ音がして、そこに善行の姿が写った。

 「!」
 『百翼長、何の…!』
 画面の向こうの善行は、こちらのカメラに写ってるらしい映像に愕然として、動きを止めた。
 その声に、舞の表情が凍る。


 『な…何をして居るんです貴女ー!』


 素子は善行の絶叫を受けて、微笑すると、上に乗っている舞を、くるり、とカメラの側に向けた。
 ゆったりとしている筈の制服には、素子の摘んだ形に乳首の後がついており、濡れそぼるささやかな茂みのその奥に、張型を深くくわえ込む、パンパンに腫れ上がったそれが、前面に押し出される。
 「…っあ!」
 喘ぐ舞に構わず口を開く。

 「何って?貴方の大事なこの子に貴方を教えている処」
 『そ、それは…』
 「驚いちゃったわ。私のそれはあっさり頂いた貴方が、この子に残しておくなんて。それとも何?今はアナルの方が好きなの?」
 『そういう話ではないでしょう?』
 「そういう話よ。これで全国的にこの娘は破瓜晒し。」
 素子はその上気した頬に、薄ら笑いを浮かべて、善行を見やる。
 「よくもまあ、此処迄馴らしたものね。あの芝村の小娘が、まさかお尻の穴弄るだけでヒイヒイ言うなんて、思いもしなかったわよ」
 「…っ!」

 舞の顔が羞恥に染まり、素子を睨む。
 口を開こうとするより早く、素子が身体を揺さぶった。

 「貴女は黙ってなさい!」
 「っ…ああ…!」

 舞の身体がびくびくっと痙攣し、がっくりと力が抜ける。

 『ひゃ、百翼長!』
 「フフ、貴方はその遠く離れたそこから、私達のショウを見て居る事しか出来ない。この子の処女は頂いたわ。せいぜい悔しがる事ね。邪魔はさせないわよ?」


 素子の目に、底冷えする、冥い光がほの見える。


 「もっともっと凄い世界を覗かせて、これなしでは居られない身体にしてやる」


 うっすらと口元に貼り付いた、氷の笑い。


 「でも、これは私だけのものだから、彼女には、何もできない」


 静かに身体を動かし始める。
 その振動が舞に伝わって、再び彼女の口から、なまめかしい吐息が漏れ出す。
 「ふ…ぁあん…」
 「ふふ…可愛いわよ?どう?愛しい男に、見られながら、する気持ちは?」
 舞が嫌々、という風に首を振る。
 素子が婉然と微笑む。


 「しかも、貴女の側は、アイツ、じゃない」


 舞の目が見開かれる。
 「何処の馬の骨とも知れない男の張型で、滅茶苦茶にされて凄く感じてて。しかもそれを好きな男に見られてるのよ? 流石に変態は違うわね」
 「き…っさま…っ」
 だが、素子はお構いなしに首筋に口付けた。
 「んあ!」
 「貴女に、選択肢はないの」
 素子は、その綺麗な手で、制服、ブラウスと器用に舞の上衣の前をはだけていく。
 最後にブラジャーがぽろり、とハズれ、形の良い小ぶりの乳房が露わになった。
 その尖りきった「先」を、きゅ、と両の手の爪の先で、強く、摘んで引っ張る。
 「ひああっ!」
 「ホントに良い感度ね…でも、良いでしょ?あいつより太い、んだから」
 「…っ!」
 『百翼長!』
 「怒っ、たって…駄目よ。身体、は、正直」
 乳首を触ったその手が、下腹の茂みと、背後に回った。
 「…!」
 「ほぅら、直に何も、考え、られなく、なる」
 素子は舞の陰核とアナルの襞を弄りながら、身体を大きく揺さぶる。
 歯を食いしばる様だった風情の舞は、次第に朦朧とした、淫猥な顔に変わった。
 見られている羞恥も手伝ってか、感度は更に増している様だ。

 「あ…ああ…う…ん…ぁあ…ん…んん、ん…ふ」

 腰が瘧の様に震える。
 だらだらとだらしなく流れ落ちる液は、膣からのモノか、或いは。

 熱い吐息をあげながら、舞の求めに応じて、素子は唇を吸う。
 「んん…そうよ…もっと、もっと乱れて、…ああ…っ…いい、わ…」
 舞の悶えが張型を通じて素子のそれに伝わり、素子の腰も激しく蠢く。

 『…面白いもの、とはこれの事でしたか…』

 ぽつり、と善行が画面越しに呟く。
 「そう…これが、昼、貴方、に…約束、した…事…」
 素子は乱れながら、再び善行に、その艶っぽい眼差しを向けた。
 「見て…なさい。そこで、貴方が、大事に、したものの、末路を…っ」

 舞は最早画面など眼に入っていない。


 「あ、あ、あ、あ、っ、あ…っ、ああ、あ、ん、ふ、っあ、っ」


 ただ一つ自由になる首を振って、激しく悶える。
 全身がうっすらとほの赤く、汗と自らの愛液にまみれててらてらと光る。
 張型によってみっしりとくつろげられたラヴィアは、血と、愛液とが混じり合った薄桃色の液体にまみれ、びしょびしょに濡れていた。

 「ん、ふ、う、んん…ふぅ…ぅあ…は、あ、んんん…ぁ…ぅ…ん」

 時折自分で乳房を揉む様にしながら、素子も激しく身体を動かす。
 柔らかな吐息が蜜の様に甘やかだ。
 舞との結合部の下に大きなシミが見える。


 「あ、あっあ…っは」
 「んん…っ!」
 「ああああああああああっ!」



 潮を噴くが如くに激しく流れ落ちる愛液が、二人の絶頂を、告げた。




 舞の身体が、がっくりと、崩れ落ちる。
 絶頂と共に、気を失ったのだ。
 「…ふ…ぅ」
 素子は溜息を付くと、自分のそれから、ずるり、と張型を抜いた。
 「ん…っ」
 つぅ…、と液が、糸を引いて、落ちる。
 それにあわせて、ぱたん、と舞の身体が、床に転がった。
 張型は相変わらず、はめ込まれたままだ。
 舞の股ぐらから佇立するそれは、素子の愛液で濡れて光り、その色の所為か、生き物のそれの様にも見える。

 それは、ある種、異様な光景であった。


 『…貴女を守る事が、これで難しくなりましたよ』


 低い声が、通信機から、した。
 「…守る気も、無い癖に」
 素子はつまらなそうに応えた。
 「そこで勃たせてるんじゃないの? 格好付かないわよ」
 『今は自宅からです。貴女の事だから、どうせとんでもない事だろうと思ってましたけどね』
 ふん、と素子は鼻で笑った。
 「この娘はこのまま此処に放置しておくわ。貴方と逢瀬を交わしてた、此処でね」
 『…あの時の気配は貴女だったのですね』
 「やっぱり気付いてた? 流石よね。相変わらず、ヤる事ヤってても、ちゃんと意識は他にある。名だけの芝村を名乗る小娘とはエラい違いだわ」
 『皮肉は止しなさい。彼女は芝村にとって重要な餌だ。それを侵した貴女に、救いがあるとは思えない』
 「なあに、それ?心配してるの?」
 『早く、逃げなさい。少しでも、永らえるために』
 素子は高らかに嗤った。
 ヒステリックな笑いを続け、そして、突然収める。



 「ふざけないでよ!!」



 低温の怒りを孕んだ、何処か危う気な表情を閃かせて。
 「この小娘と肉体関係を結んだ貴方の、その、どの口が言うのかしらね?処女は奪えない?子供は作れない?だから、アナルです、って?馬鹿馬鹿しいにも程があるわよ!」
 『百翼長』
 「それで関東に逃げ帰れば済むと思ってるんだから、おめでたいわよねえ。別にこの娘の肩を持つ気はないけど、」


 半分狂気の乗り移った、凄惨な、笑み。



 「貴方の、そういう処が、大嫌い」



 画面の向こうで、男が溜息を、付く。
 女は歌う様に、応える。
 「貴方が気にする事は、何もないのよ? そう、だって、私はもう、死の秘密に片足突っ込んでるんだもの。今更一つ二つ増えたって、同じ」
 不意に、何かに気付いた様に。
 「ああ、でも、これを見て居た貴方も、ただじゃ済まないかもね」
 男は、再び溜息をついた。



 『素子さん…』








 翌早朝、次期司令が登校した時、小隊隊長室は、善行が発った時のままだった。
 何故か、整備班長と士魂号復座型に空席が出来ており、これから始まる異動合戦と、前途の多難さを思って、頭と胸が痛んだ。

 受話器を取る。


 『…お久しぶりです。どうしました?』



- Secret End?.-


-フェイク・ラブ-4/4 
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